息の途絶えた凶の華に ・いきのとだえた きょうのはなに
灯して巡ろうか星灯 ・ともしてめぐろうか ほしあかり
夜雨に濡れた ココロ ココロ ・やさめにぬれた こころ こころ
此れも 在れも ・これも あれも
天を穿つ星は未だ降らぬ ・そらをうがつほしは まだふらぬ
妄言横言引き連れ参ろう ・もうげん おうげん ひきつれまいろう
沼地の蝶では雨も凌げぬが ・ぬまちのちょうでは あめもしのげぬが
逝きの道なら 我独り ・ゆきのみちなら われひとり
手招き人形お手手を握り ・てまねき ひとかた おててをにぎり
甘言苦言で繋ごうか ・かんげん くげんで つなごうか
柄杓にも足らぬ愚図ども ・ひしゃくにもたらぬ ぐずども
嗚呼 我と御主と貴様と ・ああわれと おぬしと きさまと
「天道虫」 ・てんとうむし(毛利)
「暗の主」 ・くらのぬし(官兵衛)
「霹靂神」 ・はたたがみ(立花・はたたく神、激雷の意味)
「甲虫」 ・かぶとむし(金吾)
黒石一つ仇に触れば ・くろいしひとつ あだにふれば
我が身に残るは屍の眼 ・わがみにのこるは かばねのまなこ
仇と咲かるは 偽善 憮然 ・あだとさかるは ぎぜん ぶぜん
雨も 星も ・あめも ほしも
探し彷徨う種はそこかしこに ・さがしさまよう たねはそこかしこに
妄言横言引き連れ参ろう ・もうげん おうげん ひきつれまいろう
沼地の蝶でも経は口吟もう ・ぬまちのちょうでも きょうはくちずさもう
逝くと決めたら そう一人で ・ゆくときめたら そうひとりで
狐の童が 大禍時に ・きつねのわらしが おおまがどきに
手招き手招き「往こうぞ」 ・てまねきてまねき いこうぞ
当処も行方も知れずの ・あてどもゆくえも しれずの
嗚呼 我と御主と貴様と ・ああわれと おぬしと きさまと
「ハカマイリ」
「アマヤドリ」
「ハカマイリ」
「マガツボシ」
我が望むさんざめく不幸は ・われがのぞむ さんざめくふこうは
血水の降り継ぐ泥土に近く ・ちすいのふりつぐ でいどにちかく
のらりくらり哭くしゃがれた声で ・のらりくらりなく しゃがれたこえで
ひら ヒラ ひら ヒラ
「微睡うか?」 ・まどろうか
巫 金吾に 西海 暗主 ・かんなぎ きんごに さいかい くらぬし
並べて端から化かして見せようか ・ならべてはしから ばかしてみせようか
姿は変われど普く嘯く ・すがたはかわれど あまねくうそぶく
来れや 来れや 堕ちよう ・きたれやきたれや おちよう
手招き人形お手手を握り ・てまねき ひとかた おててをにぎり
甘言苦言で繋ごうか ・かんげん くげんで つなごうか
孰れは世界へ参ろう ・いずれはせかいへ まいろう
嗚呼 我と御主と二人で ・ああわれとおぬしと ふたりで
「ハカマイリ」
ハカオクリ
「ナカマイリ」
アマヤドリ
「カタヤブリ」
沼地の蝶々に 触れる其の手は ・ぬまちのちょうちょに ふれるそのては
さァ豊臣の元に下ると誓え ・さぁとよとみのもとに くだるとちかえ
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